個人賠償特約の補償事例で見る|マンション総合保険への付帯の必要性のサムネイル画像

個人賠償特約の補償事例で見る|マンション総合保険への付帯の必要性

共用部を対象にしたマンション総合保険に個人賠償特約の包括契約で、全住戸をまとめて補償する必要性があるか解説します。大切なのは住人に周知して二重加入を防ぐことです。元々は人気が高い特約でしたが、昨今は保険料の値上げを理由に見直しをする管理組合が増えています。

個人賠償特約は必要か

マンションの共用部を対象にしたマンション総合保険にて、個人賠償特約(個人賠償責任特約)が必要なのかについて解説します。

 

●個人賠償特約とは
個人賠償特約とは、補償対象になる個人が日常生活の偶発的な事故で負った法律上の賠償責任に対して、賠償金を補償する特約です。


自動車保険や戸建・マンション専有部分を対象にした火災保険など個人向けの損害保険でも人気の特約で、クレジットカードのオプションでも個人賠償特約が付いてくることがあります。

 

マンション総合保険では個人賠償特約を包括契約にして、住人全員を対象に補償を付けることが可能です。

 

  • ただし共用部分への補償を目的にしているマンション総合保険では、必ずしも住人の個人的な部分補償する必要はありません
  • 住人によっては他の保険と個人賠償特約が重複加入する形になってしまい、無駄な保険料を払ってしまうリスクがあります。

 

一方で個人賠償特約は住人同士のトラブルで発展した賠償責任も補償してくれるため、マンション内でのトラブルリスクを軽減できるメリットがあります。

 

 

保険金が支払われる事例

事例を紹介する男性

 

個人賠償特約で保険金が支払われる事例をご覧ください。

 

●個人賠償特約で保険金が支払われる事例

  • 子供が公園でボール遊びをしていて、近隣住宅の窓ガラスを割ってしまった
  • 飼っている犬が他人を噛んで怪我をさせた
  • マンションの駐輪場で自転車を出し入れする際に、誤って他の自転車を倒して壊す
  • 上階住人の水廻りトラブルで下階の住居で水漏れが発生した
  • 共有部分で子供同士が遊んでいて、他の子を怪我させたり物を壊したりした

 

共用部でのトラブルも幅広く補償されるため、住人全員が個人賠償特約の対象になることは一定のメリットがあります

 

特に子供が多いファミリー向けの間取りが多いマンションは、個人賠償特約が役に立つシーンが多いです。

 

 

個別加入より割安

割安のイメージ

 

マンション総合保険に個人賠償特約を包括契約で付帯する場合、住人それぞれが専有部分の個人向け火災保険などで個人賠償特約を個別加入するより割安になることが多いです。

 

個別契約との違い:
個人向け保険などは個人賠償特約が原則としてオプション扱いになっていて、任意で特約を外して保険料を節約することができます。

 

個人賠償特約を包括契約することが全ての住人に周知され、重複加入しないように徹底できるのであれば非常にお得です。

 

包括契約のメリット:
一部で重複加入する住人がいたとしても、包括契約をしていれば住人同士のトラブルによる賠償を幅広く補償されるので相応のメリットがあると言えます。

 

ただし、個人賠償特約の必要性を感じていない住人も多く、転居や転入など住人の入れ替わりもあるため常に住人全員が満足できる状況を作るのは困難です。

 

運営上の課題 住人側のリスク
管理組合は住人に対して個人賠償特約を包括契約している旨を定期的に発信する必要がある。 重複加入した場合は住人側の落ち度になる。

 

なお、異なる保険で個人責任特約に重複加入していた場合は、事故を起こしてもどちらか一方の保険からしか補償されません

 

重複加入している部分はお金をドブに捨てているようなものです。

 

包括契約の需要

 

個人賠償特約は様々なシーンで適用されるため、何かしらの形で付帯しておくと安心です。

 

1.需要とメリットの比較
個人賠償特約の包括契約は、分譲マンションと賃貸マンションで以下のような状況とメリットがあります。

 

●賃貸マンション

  • 包括契約は分譲マンションより賃貸マンションでの需要が高くなっています。
  • 建物に対する火災保険をオーナーが一括で契約するのが一般的で、そこに個人賠償特約の包括契約を付けておくと水漏れや住人同士のトラブルリスクを軽減できます。

 

●分譲マンション

  • 分譲マンションにおいても加入漏れを防ぐことができます。
  • 各戸の住人にとっても、個人で加入するより包括契約で付帯した方が安いです。

 

住人の個人単位では重複加入のリスクがありますが、個人賠償保険の包括契約は管理組合と住人の双方でメリットが大きいプラン選定です。

 

2.昨今の傾向と管理組合の役割
元々は需要が高い特約だったのですが、昨今はマンション総合保険の値上げが続いています。

 

背景: 管理費などの値上げを抑制する目的で個人賠償特約の包括契約を外す管理組合が増えています。

 

管理組合の立場としては個人賠償特約の包括契約を強引に付けるのではなく、メリット・デメリットを正しく周知して区分所有者などの意思尊重した決定をすることが大切です。